入会届がPTA問題の解決につながらない3つの理由
こんばんは。
PTA本部役員歴3年、PTAブロガーのいさおです。
普段は個人でブログを書いてますが、今回は特別記事をこのサイトに提供します!
みなさんのPTAには「入会届」ってありますか?
よくあるPTAの問題として、入学と同時にPTAにも自動的に加入することになっていて、入ったつもりがないのに役員決めや会費が徴収されることが挙げられます。良いものか悪いものかもわからないのに、自動的に入会させられるなんてちょっとイヤですよね。
そこで「入会届」があれば、こういった問題が解決されるようにも思いますが、さすがに一筋縄にはいかないのがPTA。今回は「入会届」を導入することメリットや導入の際のトラブルについてお伝えします。
この記事は、入会届のあるPTAの方、導入に踏み切れずにいるPTAの方、いつでもできるように準備しているPTAの方、それぞれの立場の方から伺った意見をまとめております。ぼく自身のPTAは過去から入会届がありました。そういった立場からもお伝えしますので、ぜひご一読ください。
目次
理由1:PTA入会届を導入する際に保護者が疲弊する
まずは入会届の制度をスタートできるかどうか?ですね。活動参加を強要するような問題を抱えたPTAですから、「入会届がないとおかしいですよ!適正化のためにぜひ導入しましょう!」と誰かが(あなたかもしれませんね)声をあげたところで、現PTA役員の人たちが「ほんとだ!私たちオカシかったよね!これからは心を改め、適正にしましょう。」とならないことはカンタンに想像できます。
とはいえ入会届を作らねばならないという考え自体は良いことで、正義はこちらにあるのだから、やはり入会届を作る方向で話を押し込んでいけそうな気もするはず。
しかし、ぼくはこの「正義」こそが保護者間の対立を生む原因だと思っています。正しさを押し付けられるって結構やっかいで、どうしても言われた側は反発するんですよね。子どものころ、親に「勉強しなさい」と言われた時のあの感じ。「勉強せなあかんことぐらいわかっとんねん。」ってなりませんでしたか?
ネット情報では、入会届がないのは違法だ!とうい意見もあります。なんの法律に触れるのかは?という話はまた別の機会にするとして、法まで持ち出してくるとなおさら相手も辛いでしょう。
例えるなら、車の運転をしてて、助手席に乗った人が、スピードオーバーのたびに「制限速度違反だぞ」、一旦停止しないたびに「一旦停止できていなかったぞ」、踏切の前では「窓開けて音聞いてなかったぞ」ってなったら、もう降りてくれ!ってなるでしょ。その感じですよ。
現PTA役員たちも人間なので、反発します。そしてのその反発はいろんな形で表面化し、相手が結束していればいるほど、入会届導入というアイデアの実現が難しくなりますし、あなたの生活にも悪影響が出るかもしれません。
そのような対立でお互いに疲弊してしまうなら本末転倒ですよね。あなたがPTAに対して思う不満がなんだったのか?をよく思い出してください。自分がPTAに関わりたくないなら、逆に、適当な役を適当にこなして終わるという方が結果的に労力が少なくてすむってことも十分ありえます。自分が何をしたいのかをよく考えてから行動してみましょう。
とにかく、あなたが「入会届」で対立し、疲弊してしまっては、あなたのご家族、お子さんも喜ばないでしょう。
理由2:PTA入会届が形骸化することを避けにくい
次は、入会届があったらそれで万事OKか?という点です。入会届があるにも関わらず、あの手この手を使って、結局は全員が提出することになるパターンです。
* 入学式の後、体育館に集まって、提出させるまで帰せないようにする
* 提出していない人には電話をかけてきたり、家に来たりして提出を求める
* 学校の何かの申し込みとセットになっている
こういったことで、入会するかしないかの意思表示としてではなく、単なる誓約書のような扱いで、結局は全員が加入するPTAになってしまうわけです。
もともと問題のあるPTAなのであれば、入会届ができたとしてもこのような運用をしてしまう可能性は高いですよね。
入会届を作る目的は、加入の意思があるかないかをハッキリさせることなのですが、全員が提出しているならなおさら、「入会の意思あり」とみなされてしまうので、逆に「入会したつもりはありません」「イヤイヤやってるんです」ということが言えなくなってしまうのです。
もちろん導入するなら「形だけの入会届」とならないよう注意しないといけません。運用する人によって変わることは避けられないので、先ほどの例のように実質無理して入会届を集めるということがないようしないと、逆効果を生むこともあるというのを意識しておいてください。
理由3:PTA入会届は保護者を守るものではなく、PTA側を守ることになる
最後に、入会届は誰を守るか?という話です。入会届を出す人、出さない人がハッキリ分かれることになれば、得をするのは誰かということです。入会しない人の数にもよりますので、一応集団の心理としてあまり非会員を選択しない(いても1〜2割程度)の前提で考えていきますね。
* 非会員:PTAに加わらないことを宣言しているので、PTAの運営に物申す立場を失います。聞いてもらうとしても「外部の人の声のひとつ」という扱いになります。PTAは都合の悪い意見をより無視できるようになるんですね。これって怖くないですか?
* 会員:イヤだけど会員になっている人は、入会届を出している以上、明確に意思表示をしていることになり、PTAのルールに従わざるを得なくなります。入会届がなければ、曖昧になっていたところで、「強制的にしないでください」と言えたところが、入会届を出している以上は、多少強引であっても、そのルールが適用されるのは当然。ポイント制や一人一役なども入会届がある方が強制力を持つのです。
* 役員:入会届をもらっている以上、総会で決めるルールが全て。イヤならやめろということで、よりブイブイ言いやすくなります。
つまり、そもそも問題のあるPTAに入会届を導入した場合に、メリットが増えるのは現PTA役員側なんです。
保険契約をするのに「約款を全部理解しました。」に○をつけたりするのも、保険会社側が必要以上の責任を取らなくて良いようにできていますから、それと同じようなイメージを持つといいかもしれませんね。
結論:PTAに必要なのは入会届よりも実質的な自由度
「入会届」は問題を解決する切り札として持ち出すのは危険なわけです。平穏を望む人ならなおさらオススメしません。
うまく「入会届」を導入できた学校はそもそもPTAにまつわる問題自体が少なかったんじゃないかと思います。ぼくのところもそうですね(過去の経緯は詳しく知らないのでおそらくですが)
なので、もし「入会届を導入してみたくなった!」と思ったら、入会届をうまく導入できた人から話を聞いてみてください。導入の方法を聞くのではなく、そもそもPTAが抱える問題があなたのPTAと同じかどうかをよ〜く確認すると良いと思います。
PTAにあなたの生活が乱されないことを祈ります!
では、今回はこの辺で!
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