本邦が「今は『心の時代』だ」と言われるようになってから、もうどれぐらいたったのだろう。
バブルがはじけ、リーマンショックでさらに崩れて、3.11で『絆』が叫ばれたりもした。
それでもなおかつわたしたちは、お金がば、モノさえそろえば、そして体がそこそこ動けば、悪くないなと思える人生を営めるはずだと思い込んでいる。

テレビの特集や意識の高いネット記事では「望まない孤立」に対して継承が鳴らされ続けて久しいが、では、望んだ孤独が幸福か?
ネットでは自分の実生活に1ミリたりとも絡んでこない有名人のアカウントをわざわざ見に行きせっせと誹謗中傷をあびせ、通りすがりの見知らぬ他人に頼まれてもないのにアドバイスしたり揚げ足をとってみたりして溜飲を下げる。

干渉はされたくないけど関わりたい。
現代日本でこの欲望を手っ取り早くかなえるすべは、今のところ「クレーム」一択なんだろう。

とはいえ、見方を変えればですよ。
本人の望むちょうどいいさじ加減でつながりあえる場所や相手が見つけづらいからそうなるのかも。
苛烈なクレームという形を取らないと耳傾けてもらえない言葉がたくさんあるのかも。

何をこじらせたらそうなるのだろう。
テレビやネットで引っ張りだこのコメンテーターよろしく一刀両断ズバッとこれだと言い切れるほど、世の中シンプルではないね。
人それぞれの事情があろう。それはわかるが、そのいちいちに寄り添うなんてめんどくさい。

望んでか望まずか、無自覚に臨んだ結果がそうなのか、とにもかくにもいったんははぐれてしまったご縁の糸の切れ端を結び直す必要は、どうやらとってもありそうだ。

「つながり直し」のプラットフォームをつくりましょう。
誰に、何を、どのように、提供すればいいのだろう。
それぞれの『今』をよく見て調べて考えて、対処を練りましょう。
できればなるべくスーパーマンかウルトラマンかと見まがうようなスペシャルな個々人の根性だのみではなくて、社会みんなでつくりたい。

誰に、何を、どのように?
要するに、雨後の筍のようなクレームが突き上げてくる前に、ニーズを捉えて対応すればよいわけです。
弊社に課されたミッションは、答えを探すお手伝い。

前野芽理

この記事は、(株)きもちとしくみ主筆 前野芽理が書いています。 コラム、販促記事などの執筆のほか、司会業、セミナー支援も承ります。

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