リアルPTAも立派にサスペンス

『新春PTAデトックスZOOM祭り』のご報告つづき

 前回コラム『新春PTAデトックスZOOM祭り』のご報告 では、主にインターネット、特にTwitterでPTA情報を入手した保護者について主にお伝えしました。今回はその続きです。

ローカルな成功体験を一般化することなかれ

 さて、話転じてリアルPTA談議。
 Zoomにお集まりのPTAベテラン勢は猛者揃いです。
 PTAだけではなく自治会や地域の子ども会のお世話もしている人、PTAをスピンオフして学校支援サークルを立ち上げちゃった人、PTAの『お仕事』を劇的に効率化した人などなど。そのレジェンドな皆さんは口をそろえておっしゃるのです。
「自分の体験談は特殊な事例だから」と。
 実際かなり稀有は話のオンパレードであります。
 はっきりいって、いい意味で「ないわー」の連続です。
 それらは全部身近な人のご理解や協力連携あってこそ成し遂げられた活動だと、皆さん口をそろえておっしゃいます。だからこそ、ネットでうかつにつぶやけない、と。
 書いてしまえば平々凡々なのかもしれませんけれど、たとえば

・会議で発言しやすい雰囲気をつくる
・前任者や歴代の責任者に経緯を聞きに行く
・活動量を地道に減らして無理なくできるサイズに落とし込む
・各業務を担当任せにしないで、本部も入ってタスクを見直す
・人間関係のいざこざの芽は事前に察知して摘む

 これを具体にどうやるの?って話ですよね。
 そこはやはりリーダー人材のマンパワーありきだったり、その時のメンバーによりけりだったり。「気配り」だとか「根回し」だとかの泥臭い話がそれぞれの現場現場にあるわけです。
 だからネットで表に出せない。なんならPTA内部ですら、はっきりこれと意識されない。
 「なんとなく、気づいたらいい感じになってたー!」みたいな。
 これを『カルチャーの醸成』と呼びます。
 何となくいい感じ、だから続ける、続けたい。
 この状態に持っていくのがPTAに限らずコミュニティ形成の一つの夢じゃないかしら。

 このような芳ばしいコミュニティ文化の醸成に寄与した皆さまは、ご謙遜からか(たぶん本心で)「自分の体験談は特殊な事例だから」とおっしゃいますが、わたしとしては、それをおっしゃるご本人が稀有人だということは申し添えずにいられません。
 でも、やっぱりこういうことをしれっと言うのもどうかな、とは思います。
 足元のPTAを変えられないのは、あなたのキャラが足りないせいよと言っているのと同じですから。

どこのホラーかPTAか

 やはり、世の中そうそうレジェンド人材ばかりではありません。
 リアルワールドPTAは手ごわいです。
 ネットでサクッと閲覧できるこたつ記事の成功談とは、裏の凄みが違います。
 先にネット情報を片手に道場破りする保護者会員の話を書きました。あの現象は年々増加傾向ではあるものの、リアルでは、やはり既存体制下でのPTAで大変な目に遭う人と出会う確率の方が高い。
 PTAの役員決めで断れなくて泣き出したりとか、お当番を無理強いされて欠席したら懇談会でつるし上げを食らったとか、現行の運営の改善点を挙げたら次からグループLINEで既読スルーとか、枚挙にいとまがありません。
 それってほんとに大人の世界の話ですかと耳目を疑うスリル&サスペンスなタレコミ情報を本部役員に持ち込んでも「それはあなた個人の考え方でしょう。みんなはそうは思ってません」とぴしゃりと一蹴されたという話も、珍しくはありません。
 他にも、「子どもたちのために」「大事な絆、PTAが」とか壇上では言いながら、その実、自校のPTAでは面倒くさい実務を女性P役員に丸投げで自分は研修会という名の飲み会に出るのが仕事の男性PTA会長だとか、それに辟易したお局副会長が怒りのあまり「やらないなんてズルイ」とつつきの順位を構築したり、なかなか修羅場です。
 中にはPTA活動の負担が大きすぎてママたちがもめにもめている窮状を改善しようとアクションを起こしたら「そんなに文句があるならやらなきゃいい」と、なぜかOBである元会長に言われて、事あるごとにSNSに嫌がらせを書き込まれたと壮絶です。

 これ以上書くときりがないので止めますね。
 要するに、こんなカオスなリアルPTAどうすんのという話です。
 そりゃネットに落ちてるカギカッコつきの「お手本」を頼みの綱にしたい気持ちも分かりますよ。役員や会長を引き受けたがためにママ友から何となく距離を取られてPTAに対する不満(しかも自分の任期の前の出来事)を通りすがりにぶつけられたら、ネットの向こうの共感に心の癒しを求めますよね。
 だからといって、相手も人です。
 「おまえら間違ってる!」とばかりにネットに落ちてるポリコレ棒で頭ごなしにぶっ叩いて変えられるほど、どうにかなるほど、人の心も集団も、甘いものではありません。

その『つながり』がたとえ100点満点じゃなくても

 あんまりPTAの話ばかりして、われながらだんだんうんざりしてきました。
 Twitterとかに常駐してるPTA非会員(※PTAをやめた人)の人たちがどうしてあんなに何年もPTAのことばかり気にかけていられるんだろう。一度コツでもお聞きしたい。

 そろそろ結論に参ります。
 世の中には理想的なPTAもありますが、そうじゃないPTAもあります。どちらかというと後者の方が多いです。
 腹立ちますよね。うんざりですよね。
 でもね、あなたの望む100点満点だからといって、ゼロにしちゃっていいのでしょうか。
 PTAで手に入る「つながり」なんて、縁日で売ってる綿あめよりもフワフワとはかないものです。夕立に当たればひとたまりもなく溶けて流れ、そうでなくても翌朝にはザラメの粒にもどってしまう一夜限りの幻想なのかもしれません。
 だけど、いざというとき、たぶん、ないよりあったほうがマシ。

 あなたのリアルは、今あなたの暮らすその場所にしかないのです。
 ネットに落ちてる正解が、当てはまるとは限らない。
 一度きりの人生、一期一会の今日なのです。
 ネットの仲間はいざというとき、あなたを助けに駆けつけてはくれないのです。絶対に。
 あなたの持ち場の「きもち」に即した「しくみ」を一緒に構築していきましょう。
 まずはホームページのチャットから、お気軽にお声掛けください。
「前野さん、聞いてくださいよー」みたいな愚痴話でも大歓迎。案外たくさんのヒントが詰まっていそうです。

 最近読んでPTA界隈の皆さんも共感できるところが多そうだと感じたのがこちら。
 筆者の方はお若いのでしょうか、彼氏に贈るセーターを編むように、慎重に、丁寧に、3.11を契機に本邦に広がり続ける「不安」を描いておられます。
 わたしクラスのガラッパチともなると、「不安?だよね~! ところで今夜、何食べる?」みたいなソリューションで大体片が付いてしまうのでありますが、おそらくそれは正しい向き合い方ではない。
 個人的には飴細工のように華奢で華麗なメッセージには少々「ああ、そう」みたいな物足りなさもありますが、だからこそ、本書によってほったらかしにしてきた何かに引き戻された思いです。

 ただでさえコロナ禍で心穏やかでないこの時期、来期のPTA役員決めで不安いっぱい戦々恐々の皆さまは、ぜひ本書をお手に取ってお読みください。

 皆さんは、不安なとき、どうしますか。
 わたしですか?・・・レバーを食べます!
 あとは、お寿司でしょ、鶏むね肉のサラダでしょ、ほうれん草のごまあえ、あとは、冬なら雪かきしますかね。ほんとはほかにもいろいろあるが、ここに書くとステークホルダーの皆さまに怒られるから書けません。

この記事は、(株)きもちとしくみ主筆 前野芽理が書いています。 コラム、販促記事などの執筆のほか、司会業、セミナー支援も承ります。

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