PTAと青い鳥 〜偏った正義たち〜

この記事は独白系ライター 松本怜が書いています。

老若男女問わず、実に8割以上の国民が所有していると言われるスマートフォン。
一昔前は、インターネットと言えばPCがメインだったが、高性能なモバイル端末の普及によりネットの世界は我々の極身近な存在になった。
様々なサービスが展開される中でもユーザー数が特に多いのがいわゆる「SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)」と言われるものだ。LINE、Facebookなど、それぞれの特徴を持ったコミュニケーションツールが提供されている。

そんな中、今回は「PTAと青い鳥」と題して、Twitter上のPTA界隈に焦点を当てていこうと思う。

Twitter上のPTA界隈

日々ツイートを眺めていると、社会の縮図が見えてくる。

知らない人は少ないとは思うが、TwitterとはアメリカのTwitter社が開始したインタレスト・ネットワーキング・サービスである。ユーザー数は全世界3億人以上、日本だけでも4500万人を超えると言われている。
Twitter上では、共通の趣味や興味を持つ人達が互いにフォローをしたりリプライやリツイートなどの機能を利用し交流することができる仕様だ。
「PTA界隈」とは、その言葉どおり「PTAという特定の話題を取り上げている人たち」を指すと思ってもらえればいい。

さて、筆者もそのPTA界隈の住人であるのだが、日々ツイートを眺めていると社会の縮図を見ている気分になる。
何だか小難しい議論に余念がない人もいれば、訳のわからん持論を展開して自意識がライジングしている人もいる。
筆者の書く記事は、主にTwitter上での話がネタ元だ。
記事を読んで興味を持ってくれた人は「#PTA」というタグで検索してもらえれば何かしらにヒットするのでそちらからご覧いただければと思うが、ここではあえてリンクは貼らない。本当にいろいろな人がいるので、あまり長く浸かっていると胸焼けを起こす可能性がある。注意してもらいたい。

リアルではあまり見かけないかもしれないが、Twitter上のPTA界隈には「PTA非会員」なる人が複数存在する。
これは「PTAに入会していない人」を指す言葉で、主にその本人たちが自身をそう表現している。会員でないことをわざわざ言語化するのにはいささか違和感があるが、ここでは便宜上「非会員」と呼ぶことにする。
実を言うと、筆者も「元PTA非会員」である。
以前書いた記事で我が子の学校のPTAについて少々触れたが、その件がきっかけで組織に反発し入会を拒否したためだ。
現在は会長が諸々頑張ってくれたので、自主的に入会し平会員をしている。

非会員を名乗る人たちは、自身の学校の組織の運営に納得がいかず非加入を選択した人が多い。
これは筆者も経験済みであるし、その気持ちは十二分に理解できるが、なかなかに相容れない事情がある。
と言っても、単純な「価値観の相違」なのだが。
非会員さんたちの主張は「PTAを適正化しろ!」というものがメインだが、この点に関しては大きな反論はない。
あくまでも「主張に対しては」だが。

PTAのプリントに書かれた「死ねよカス」の文字

暴言、賞賛、人権侵害。

気に入らないのはそのやり方だ。
言うのは勝手。自分ちの庭で、自分と同じような価値観の人間しか見ないのなら好きに喚き散らかせばいい。
しかし、一部の過激派非会員は、勝手に人の庭に土足で入り、自分たちと異なる意見をつぶやいたユーザーを集団で口撃したり、ときにはリアルで暴言を吐いた事実を誇らしげに写真付きでツイートしたりしている。
最近目にしたもので特に気分が悪かったのは、とある非会員の元にPTAから配布された役員決めのプリントに「死ねよカス」と書いた写真とともに、それを提出する旨を記したさも楽しげなツイートだった。
どこの誰が書いたかはここでは伏せるが、そのツイートをしたのは自称40歳を過ぎたいい大人で、ましてや人の親である。
確かにそのプリントには「必ず推薦する人間を書け」と書いてあるなど「役員を強制する典型」のような文言が並んではいたが、だからといって、言っていいことと悪いことがあるだろう。
さらに筆者を驚かせたのは、そのツイートについたリプライや引用RTの内容である。
件の暴言には一切触れず、それ以外にプリントに書き込まれていた内容に対して共感するコメントや、ただ一言「素晴らしい」と賞賛するものまであった。
添付された写真を見れば、嫌でも目に入るのに、だ。
ツイ主曰く、相手は役割として作業をしているだけだから暴言を吐いても傷つかない。そもそもそんな悪感情を抱かせるのが悪い(だから言っていい)とのことだ。
そしてこの面々、普段はPTAの適正化を求めるツイートをしており「PTAのやり方は保護者の人権を侵害している」と主張している。
PTAが意図して悪どいやり方をしてるのなら庇う気はさらさらないが、生身の人間に対して「死ね」と言うことに何の抵抗も感じない人々が語る人権とは一体。
これではまるで「相手には人権は存在しない」と言わんばかりの振る舞いである。
日頃「PTAは違法団体だ」などとのたまっているが、この法治国家で私刑が禁止されていることも知らない輩が憲法を語るんじゃねえよ。
失礼、批判と暴言の違いもわからん奴がどのツラ下げて法律を語っているのかと、少々頭に血が上ってしまった。
「(自分はこんなことを言いたくはないが)相手が悪いことをしているから仕方なく言って(やって)いる」
「言われるようなことをする相手に原因がある」
という理屈は、DVやいじめのそれと同じである。
『いじめられるほうにも問題がある理論』だ。
だが、良識のある大人なら、相手に問題があろうが何だろうが、それをやっていい理由にはならないことくらいご存じだろう。

ある女性がテレビ番組が原因の誹謗中傷に曝され、自ら命を絶ってしまった痛ましい事件の報道は記憶に新しい。
この暴言に関しても、こんなことを繰り返して万が一それが原因で相手が自死を選んでしまうなんてことが起これば、自殺教唆の罪に問われることだって有り得るのだ。

そこまではいかずとも、それで相手が精神を病んでしまったり、何らかの悪影響があったときに責任を取る気はあるのだろうか?

「相手が悪いから」と考えている以上、「自業自得」程度にしか思わないのではないかと推測するが、筆者から言わせれば自分のしたことに責任を持てないならイキがるのも大概にしとけ。である。
なにが「ビートを感じてほしい」だ。
狂気しか感じないわ。

こういうことを平然とやっておいて、いじめに悩む人のツイートには「一方的に相手(いじめた人間)が悪い」と発言するのだからご都合主義も甚だしい。
それがいかに「偏った正義か」など火を見るより明らかだ。

筆者も自分の行動を誰かに決めつけられるのは大嫌いであるし、同じようなプリントを受け取ったら反発もするかもしれない。
実際、子供が持ち帰ったプリントに「役員ができない方は詳細に理由を書いてください」という欄があり「誰が書くかそんなもん」と「一身上の都合により」とだけ書いて提出した。
うちの会長はそんなことを言ってこないとは思うが、万が一つべこべ言われるようなら「あなた方はこちらの同意なしにセンシティブな情報を取得することはできないはずだが?」と突っぱねる気でもいる。
だが、間違っても暴言は吐かない。
暴言を吐いてしまった時点で、それは正当な意見ではなくなってしまうからだ。

正義の皮をかぶった怨霊たち

「自分は違う」と言い切れるのか?

Twitter上には正義の皮をかぶった怨霊たちがうようよしている。
末代まで呪う勢いで、PTAへの怨念をたぎらせているのだ。
自らと同意見であれば味方と判断しどこまでも賞賛するが、一度でも敵と認定すれば容赦なく攻撃してくる。
もし出逢うことがあったなら、「悪霊退散」の札を投げつけて全力で逃げることをお勧めしたい。

あれね。わたしも見たけど、さすがに驚いた。
日頃、人権侵害人権侵害と声高な人が暴言を書き散らしたプリントを書くことよりも、「それをわざわざ写真に撮ってネットに上げるという行為」に驚いた。
それにぶら下がってるリプもちらっと見たけれど、賞賛してる人たちは、「○ねよカス」と書いた自分をネットで誇る大の大人ののリアルワールドまでは、あんまり気にならないのかな。
個人的にはネット上の友情にはいろんな形があってもいいって思っているし、お行儀よくばかりもしていられないモヤモヤを抱えているのも、身に覚えありなんけど。
前野的には、あの写真にあったPTAの役員決めのプリントも、かな~り痛い内容だけどね。いったい何年あのスタイルでお知らせを出し続けているのだろうか。

あのお知らせもPTAあるあるが満載だよね。
他にもきっと反発している保護者がいそう。
でも、だからといって、その腹いせに何を書いてもいいのか?という。

個人的には、アンケートに腹いせを書くぐらいなら「アタシが書類作りまーす」って、ナイスな文面のお知らせを作っちゃう。
PTAのお仕事って、案外不慣れな人がやっつけ仕事で片づけてることが多いのよ。
「 ( ,,`・ω・´)ンンン? 」ってなるPTAのお知らせが出続けるのは、単に昔の過剰にまじめな人が作った文面を、言葉の意味をかみしめないまま毎年印刷しちゃってるとかフツーによくある話だよ。みんな忙しいからね。立ち止まるより受け流すほうが早い。

(わかりみ・・・)

だけど、実際どうなんだろうね。
「新人役員にはお知らせを作らせてくれない」っていう鋼のような役員もいるPTAもあるらしいのよ(リア友の実体験)。
この「○ねよカス」の人も、こんな役員決めはダメだ!ってリアルで相当やり合った末に「まだこのお知らせ出て来るんかーい」みたいな事情があるのかもしれない。その議論の過程において、アンフェアな状況もあったのかもしれない。
例えば相手側は全員同じスポ少メンバーだとか、その学校の卒業生でガッチリ固めてるだとか、そうなると仲間同士の思い入れも強固なものがあるからね。理路整然と訴えたぐらいじゃびくともしないっていうのも、これまたよくある話よね(実体験)。

そこまでPTAにムキになる
理由なんなの

さしずめ交尾不足で余った体力ぶつけてるとか?

だから芽理さん、そういうことはもっと大きな声で言うべき。

諸般の事情でリアルが無理なら、妄想をたくましくすればいい。

ノーエロス、ノーPTAですからね。

まさに。
SNSで見つけた気に入らないPTAアカウントに日参してはケチつける人っているじゃないですか。あれなんか微妙よねー。妄想で練り上げた虚像と、つぶやきというリアルな行為を結びつけては興奮してるっていう。
ああいうハイブリッドなエロチシズムは、ある意味まことに矛盾にみちたPTAならではというか。

いや、たぶんそれ、PTA界隈に限らないと思うけど。

はっ、そうか。まさにPTAは社会の縮図。
こんな親たちに育てられてたら、そりゃあねえ。

人のことをどうこう言えるほど見上げた親じゃないけどね、アタシもね。

あらやだ。なんとかそれを言わず済ませて、この回をシメようと思ってたのに。
何はともあれ、怨霊見物にうつつをぬかしているうちに、いつの間にやら幽体離脱なんてことにならないようにしないとね。
おのおの、自分の持ち場が大事。皆人それぞれのリアルを背負って『今』がある。

と、我ながらキレイにまとめたところで、次回も怜ちゃん、淡々と筆を進めていきましょ~。

この記事は独白系ライター 松本怜が書いています。

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