遠い他人にやたら文句言う症候群

突然ですが、皆さんのお住まいの自治会・町内会に、クレーマーはいますでしょうか。
先日、久しぶりに会った旧友とこの話でたいそう盛り上がりました。
彼女とは20年来の付き合いで、独身時代によく語街を飲み歩いたりしたものです。昔は互いの恋愛話に花咲いたものですが、時は移ろい時代は変わる。今となってはメインの話題は町内会。何はともあれ、よくぞここまで生きてこられたと互いの健闘を大いにたたえ合ったものです。

さて。
旧友の彼女のご近所さんは、町内会が何をやっても気に入らず、ことあるごとに町会長さん宅の玄関チャイムを鳴らしては独自の主張をご展開になるそうです。
その様相は、マイルドな表現を用いるならば、並大抵ではないそうです。
町会長さんもずいぶん参っておられたが、町会役員一丸となって都度危機を乗り越えてきたとのこと。

うちの町会にもいますよ。ご意見のほとばしる方々が数人、みなシニア
わたしの場合、数年かけて仲良しになりました。
単にあっちが年老いて、わたしに実績が積みあがってパワーバランスが逆転しただけなのかもですが。
いやー、リアルのつながりって、ほんとにいいですね!
あっちが何か言う。こっちがそれを聞く。
あっちが何か言う。こっちが「それはムリ」っていう。
こっちが何かいう。あっちが激怒する。
こっちが激怒する。あっちが根負けする。
まさにハートフルコミュニケーションズ。
相手の球を打ち返さずにラリーが成立する奇跡。意思の疎通は二の次です。
それでも一回大雪でも降ってしまえばしめたもの。
相手の思想が気に入ろうが気に入るまいが、一緒に除雪をしていると、何となく連帯感が生まれます。「日頃のことは、まあいいや」の境地に至ります。
当然ながら年がら年中ご一緒しているわけでもない。

当方の住まう地域の災害なんて何年かに一度の大雪ぐらいのものですが(そんなにしょっちゅう何かある地域の方がまれですが)、何かあったら暮らしの一部を支え合う、支え合いうる雑駁なひとくくりの中に、自分たちはともに存在しているのだという認識があれば、少々の考え方の違いなど割とどうでもいいこととして処理できるようになりますね。
ましてや、自治会・町内会レベルになると、基本的にはそれなりに複数の世帯が関わるわけです。この人だけが全てじゃないということは、物理的にも明白です。この人が無理なら他の誰かと声かけあって、この難局を乗り切ろう。この人だって好き好んでこんなフレキシビリティの低さを維持しているわけでもないよね多分と諦めもつくわけです。

それにひきかえ、ネットの世界は何なのでしょう。
TwitterでのPTA談義でよくある、PTAはつながりなんかいらない説とか、どうなんだ。
「どうせPTAは素人集団なんだから、互助的なものは地域団体に任せておけ!」
ってやつね。
「気がかりな家庭があっても、民生委員や行政に任せとけばいいのだ!」
みたいな。
うそじゃないです。いるんです。
そういう人が一定数。
全国の民生委員の皆さま、各種支援団体の皆さま、どう思われます?
子育て世代の総数から見てほんの一部といいながら、このような考え方を開陳し合って日夜互いに増幅し合う御一行様は、現に存在するのです。

そりゃまーそーだけどさー。
ほんとにそれで足りてんのかよー。
って、わたしなんかは思いますけどね。
それだけ子育て世代に心の余裕がなくなったというでしょう。
事実、地域のつながりなんて、もはや不要、もしくは不可能な地域も多々あることでしょう。

とはいえ。
さすがのわたしも、リアルで面と向かってこのようなPTAに対する文句を言われたことはない。
うちの近所の人々は言わずに我慢してるんだろうな。
もしかして、それなりに思うところはあれど、それなりに意義も感じてくれているのだろうか。

しかしあれですね。
リアルでちょくちょく会うならともかく、どこか知らない遠くの人が文句を言うのは何なんだ。
こっちの事情もろくに知らんと、ネットの向こうでヤイヤイ言いたいモチベーションの出どころがよく分からん。
だがしかし。
逆に言えば、それほどまでにつながりを求めているということかしら。
わざわざ見に来て「こんなダメなこと言うやつがいる!」と。
当たり屋か!
それとも新手のツンデレか!

他人の書いた文言をパクってまでして誰かに何か言わずにおれない。その悪口を共有したい。
この現象、まさに弊社が提唱するところの「つながり直し」の一形態といえなくもない。
よく分からんが、とにもかくにも、わたしとしてはそんな彼らに幸福なリアルワールドあれかしと願わずにおれません。
大きなお世話だっつーの、なんておっしゃらないでくださいね。
それではみなさん、春まだ遠きわがまちで、きょうもコツコツがんばりましょう。
身近なつながり、大事です。

この記事は、(株)きもちとしくみ主筆 前野芽理が書いています。 コラム、販促記事などの執筆のほか、司会業、セミナー支援も承ります。

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