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PTAの『外野ウルセー問題』が免除の儀式の根本原因

 それが何であれ、その役割を引き受けている人たちを、手伝いもしない外野の連中が「こうやらねばならない」と批判する。
 世の中のありとあらゆる担い手不足の根底には、この『外野ウルセー問題』があるのではなかろうか。

 それに加えて「やりたいことだけをやる」の自主性万能主義は花盛り。さっきは他人様に対して「○○である以上はこうやらねばならない」と猛々しく要求している同じ人が、自分自身に対しては「やりたいことを、やりたいようにやればいい」の一点張りなのですから、なんでやねんと思うわけです。 

 こうなるともう、逃げ出した者勝ちですね。
 その顕著な例が少子化です。
 子供を生めば親になる。親になったら「親なんだから」と家族や社会にどつかれる。それはヤダ。だったら生むのをやめればいいという、シンプルな論理です。
 もちろん少子化には経済的な事情や価値観の問題など、社会背景も大きく関与しています。少子化解消のためには、生み育てやすい雰囲気の醸成よりも、どっちかというと生みたいけど生めない人を経済的に支援した方が手っ取り早い気もします。とはいえ、それらの人が晴れて子供を生んだ後のハッピーライフの構築のためにも、やはり社会としても子育てに寛容な気運の醸成は急務と言えましょう。幸せそうに子育てしている背中を次世代の若者に見せるのが、一番の少子化解消策です。

 さて、こんにち日本社会を崩壊させつつあるこの『外野ウルセー問題』ですが、今、もっともコンパクトかつクリアカットに散見できるフィールドが、そう、社会の縮図PTAでございます。
 PTAのやり方が気に入らない誰かさんが、通りすがりのPTA役員を捕まえて「そんなやり方ダメだ!」とぶっ放す。言われたほうはキョトーンです。だって、その文句の出所は過去のPTAの累積的なやらかしに対してものもであり、今ほど文句を承ったのは、この春に役員になったばかりのPTAビギナーなのですから。
 PTAの場合、なぜか古株古参の皆さんがビギナー役員に通りすがりにぶん殴る構図が後を絶ちません。
 言う方は積年の恨みがあります。なんとか言い負かしてやろうとネットを日夜検索したりもしていますから(そうしてつかんだ情報が正しいかどうかは別として)一定の知識もある。なんなら少々ヒマもある。ビギナーPTA役員が通りかかるのを待てないのなら探しに出向く勢いです。

 そうして、晴れて見つけたPTA役員を通りすがりにガツーンですよ。
「PTAのここが駄目!」「PTAはこうでなければいけない!」
ええ、自分自身でPTAの重たい役をやりもせず、反論も受け付けず、ただひたすらに言い張るわけです。

 PTA役員にしたら、いい面の皮です。
 そんな目に遭うのであれば、PTA役員なんて誰もやりたくないですよね。
 いかに気の合う仲間同士で和気あいあいとできる範囲でやってても、仕事帰りに立ち寄ったスーパーとかで後ろからチョンチョンと肩をつつかれて「PTAのことなんだけど…」とか身に覚えのない恨みつらみをぶちまけられたら、誰だってうんざりしますよね。しかも、この肩チョンチョンは、不思議なことにかなりの確率で半額シールのついた商品に手を伸ばしたその瞬間に起こるのです(これを『赤札の法則』といいます)。

 PTAはいつもそう。
 だから、役員の成り手不足に陥る。
 だから、逃げ足の遅い寄せ集めのメンバーでやらざるを得ない。
 だから、とりあえず任期中はなんとか前例踏襲でやり切るのが精いっぱい。
 だから、活動のスリム化だとかイベントのブラッシュアップがはかどらない。
 だから、魅力がない。やるメリットが感じられない。
 だから、役員を決めるのが苦しくなる。
 だけど、手抜きをしちゃいけない。

 通りすがりにガツーンの恐怖が忘れられずに、「ちゃんとやらなきゃ」の呪縛で頭がいっぱいです。ここで途切れさせたら百年目、この大荷物を自分がおっぽり出したとばれたら今度は何を言われるのやら。
 そんなこんなで、何が何でもPTAを次の誰かにさせなきゃいけないような気になっちゃって、仕方ないから苦肉の策で「卒業までに必ず1回」「お子さん1人に1回」とかになっちゃって、それでも役員や当番の成り手がいなくて、くじ引きになる。
 そして始まる「やらない人はズルイ」の嵐。この追い風に煽られて、諸般の事情でどうしてもPTA活動がやれない人に対しては「みんなの前でできない理由を言え」みたいな、いわゆる『免除の儀式』といったおぞましい事態に発展しちゃうわけですよ。

 なぜPTAは変われないのか。
 PTA問題で頭いっぱい、何年もカンカンに怒り続ける皆さんの怨嗟の声が届かないからPTAがいつまでたっても改善されないわけではないのです。
 むしろバッチリ届いてる。
 だからこそ、PTAはいつまでたっても駄目なのです。

 ごくまれに自発的にPTA役員やります!みたいな人がいても、その自発性はなぜか歓迎されません。こんなクソみたいなPTA、アタシがぶっつぶしてやる!みたいな怨恨シャスバイアス(※)を燃料にした自発性では、周囲の人に不興を買います。クソって私のことですかと。
(※怨恨シャスバイアス:アンコンシャスバイアスの一種。個人的な過去の恨みを社会全体の課題と拡大解釈し、無辜の他人を断罪する)

 PTAって大事だよ、楽しくやってやろうじゃんみたいな能天気型の自発性の場合は、なぜかネットでたたかれます。どうして遠い他人がエンジョイするのがそんなに気に入らないのでしょうか。
 その気に入らなさの原因は不明ながらも「おまえみたいなノリノリな奴が勢い任せにPTAを押し付けるからうざいんじゃ」というロジックだけは明瞭です。ここまでくるとさすがにそれってPTAの問題というよりむしろ格差の問題で、人類共通の課題じゃね?という気もしますけど、残念ながら、聞く耳持ってはもらえません。むしろ人類どうでもいいわ。スティービー・ワンダーの往年の名曲を口ずさむより目の前の(といってもネットで垣間見ただけですが)具体の敵にエアリプをかます方が、手っ取り早い高揚感を得られます。

 そんなにPTAがつらいならなくしてしまえばいいじゃないのという説もございます。そりゃそうだ。そりゃそうだけど、それって誰がやるのでしょうか。もちろん、そのときその場のPTA役員が、最終的にはその重責を担います。
 外野がさんざんヤイヤイ脅してPTAを大変にして、つらけりゃやめればいいといい、挙句の果てにPTAをたためないおまえらが悪いんじゃという論法ですね。

 最近さらにこれに加わったのが、「PTAのやってることは行政の仕事なんだから」というお説です。これを言い張る人たちには、公務員のお友達とかおらんのか?
 そんな素朴な疑問もありますし、どうしてそんなに「行政のやること=自分の気に入ること」というさわやかな青写真を胸に描けるのか、童話で言ったら新美南吉レベルの性善説が繰り広げられているあたり、ちょっとうらやましくもある。 
 目の前のPTAすら自分の思うとおりにならなくて怒っているのに行政が自分の理想どおりになるという保証はどこにもないわけなのですが、お住まいの基礎自治体の首長選挙に立候補して当選するとかしてみたらどうでしょう。まさに名実ともに改革の旗手ですよ。一発解決の確率はぐぐっと高まります。

 というわけで。
 PTAをよくしたいなら、まずはお住まいの市町村の首長を目指しましょう。恐らく今から教育長を目指しても間に合いませんし、議員もいまいち生ぬるい。
 国政の壇上に立ち、文部科学大臣に直訴するなり、何なら自分が文科大臣になるなりという作戦もアリですが、おそらくそこまで行っちゃうと、かえって遠くなるかもです。学齢期のお子さんの『保護者の声』を広く聞くために、今般最も有効な手段の一つと考えられているのが「PTAの代表から意見を聞く」になっているので。文科大臣のカウンターパートの一つがいわゆる日P、日本PTA全国協議会なのです。こっち側の人があっち側の正当性をつぶしてしまったら、次から誰に『保護者の声』を聞けばいいのかってなりますからね。いや別に志高く公正明大にして高潔なるどなたかが真に正当なる保護者代表を名乗ってただいても一向構わないわけですが。さて、その正当性でまたひと悶着はありそうですよ。

 おっと、しまいに何が言いたいのか自分でもわからなくなってきました。
 ときに理屈も大事ですけど、今日という日をどう過ごすかが一番大事。
 それではみなさん、それぞれの持ち場で、それぞれのベストプラクティスを積み重ねてまいりましょう。
 リアルワールドに生きていたらば、身近な人と衝突することもありますよね。意に添わぬこともあれば、勘弁してよと天を仰ぐこともあるでしょう。それでもやっぱり、できればなるべく、リアルはリアル、ネットの声は参考程度にしていただいて、できる範囲で構わないので、どうか大切につないでいっていただけますように。

 最後に話変わりますけど、PTAの事務作業が多すぎ問題は、うるさい外野の有無にかかわらず、一定程度発生しますよね。ああいうものはすっぱりと外注に投げるなどしてサクッと解放されるべき。PTAの諸課題を根性で解決を試みるのはこの春卒業してください。遠慮なく弊社までご相談ください。ご連絡の際は、問い合わせフォームか、チャット機能を使ってくださるとうれしいです。

 社会をより良くしたいと本気で願っているならば、脳内の仮想敵をせっせと言い負かしてるよりも、本でも読んで賢くなってはいかがでしょうか。仮に本の中身が理解できなくても、読んでる最中あなたは無害。

この記事は、(株)きもちとしくみ主筆 前野芽理が書いています。 コラム、販促記事などの執筆のほか、司会業、セミナー支援も承ります。

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