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PTA役員の皆さん、ネットのデマに気をつけて!

メディア情報に踊らされ、リアルで孤立に陥る人たち

「『インターネットを見た』という人が、本部役員に『うちの団体のやり方は違法だ!』と詰め寄ってきた。いくら事情を説明しても『インターネットに書いてあるのと違う』の一点張りで、話し合いにならない」

 最近、わたしこと前野芽理は、自治会・町内会のお世話役の方々やPTAの役員さんたちから、このようなお話をよく聞きます。よく聞くどころか、県外のお友達から聞く世間話の6割は、地元じゃちょっと言えない話。

 さて。
 自治会の場合、このような勢い余った正義の人に対しては、周囲の人は早々にさじを投げて、お付き合いをあきらめてしまう。ご家族と同居だったり近場の親戚がご健在ならいいのですが、老老世帯であれば心配です。地域社会で孤立を深め、民生委員さんの訪問を拒否するようになったりすれば、万が一のときどうなってしまうのか。
 近所の民生委員さんにお話を伺ったところ、昨今、自治会や町内会の活動はネガティブな面ばかりが大々的に報じられ、とても活動しにくいとのこと。
「訪問すると『お節介は迷惑だ』と嫌がられる。ニュースで孤独死が報じられると『民生委員は何やってたんだ』とののしられる。頑張っても頑張れなくても悪く言われる。やってられないよ」
と、深いため息をついておられました。

メディア脳のとばっちり

 PTAの場合は、その背景にはお子さんが絡んでいるだけなお厄介です。
 メディアで仕入れた知識を基に自校PTAに対して義憤をつのらせて校長室に道場破りよろしく怒鳴り込む保護者も実際いるそうです(わたしが実際に聞いた話では、文字通り怒鳴り込んだ)。
 校長、教頭を向こうに回して「訴えてやる!」と大暴れ、校長先生は対処しきれずPTA役員に対応を一任。ここからPTA全体が蜂の巣をつついたような大騒ぎになることも珍しくありません。
 そうなると、副会長以下のP役員さんは受難です。生活圏の行く先々で通りすがりの一般保護者会員に「ねえ、PTAどうなってんの」と不意に聞かれて答えに窮すると。しかも、仕事帰りに近所のスーパーで今夜の献立に頭を悩ませている最中、まさに赤札を貼られたお肉に手を伸ばしたまさにその瞬間に、後ろから肩をチョンチョンと。
 今はなるべく話しかけないでほしいときに限って話しかけられる現象を『半額シールの法則』と呼びますが(呼んでいるのはわたしだけですが)、PTAもその例外ではありません。

 ちなみに、その道場破りに遭ったとあるPTA本部では「話し合いは大事だから」ということで、半年ほどの期間、週に2~3回、深夜に及ぶ会議を重ねたそうです。さらに年度が終わるころには、尽力なさったPTA会長さんは岩戸の向こうに引きこもられてしまったそうです。

 深夜の会議も岩戸の件も、すべては子を持つ親の話。まだまだ家庭のぬくもりが必要な学齢期のお子さんには、そんな親の背中が一体どんなふうに見えているのだろうか。いたたまれない気持ちです。

 ちゃんとリアル見ようよ(自戒を込めて)。

自治会・町内会ガチ勢はリアルに強い

 自治会・町内会もPTAも、似たような地縁的任意団体です。公立小中学校の場合、越境入学の例はあれど、その学校を大なり小なり支えているのは地域住民であり、PTAのP会員つまり保護者のほとんどは学校の周辺地域の住民です。
 同じ地域に住まいながらも、年齢的には前者はシニア、後者は働き世代の30~40代が中心です。二つの住民クラスタのメンタリティや価値観、情報の取り方に、はっきりと違いを感じるのは、わたしだけではないでしょう。

 前野調べでは、自治会・町内会でもインターネットでネガティブ情報を仕入れる人はいるにはいるが、ごく少数です。マスメディアのネガティブ情報にも、これといったメインストリームないようです。
 ネットの片隅でわがまちの自治会・町内会のクソ運営を叫んでみても、それはあくまで個人の見解。まれにマスコミに出てくる有識者みたいな人がくさしていても、打ち上げ花火がせいぜいで、ムーブメントには至りません。

 自治会・町内会のあるある話も、せいぜいが「このやり方はもう限界」という程度。街灯やゴミステーションの管理問題なんかがそれですね。街灯やゴミステーションの維持管理費は自治体からの助成があるものの、自治会・町内会が管理主体となっている市町村が、全国的には多数派です。
 特に新興住宅地では自治会・町内会の年々加入率は低下しています。もはや雪崩はとめようがなく、「自治会の加入率は30%なのに、街灯はそこを通る住民を100%照らす」と皮肉っていた自治会長さんがおられました。心中お察し申し上げます。

 最近一番ホットな自治会・町内会ネタとしては、2020年秋に行われた国勢調査でしょうか。調査員を町内会から選出するということで、「町内会の負担があまりに大きい」というニュースがマスコミやインターネットで大きな話題になりました。
 弊社でもZoomイベント『いまさら共助と言われても!?』を開催し、参加者の町内会ガチ勢の皆さんからお話を伺って、正直ぶったまげました。町内会の負担、大きすぎ。そして、地域差ありすぎです。とはいえ、Zoomにお集まりいただいた皆様は主に40代、自治会・町内会ガチ勢としては超若手です。「久しぶりに会えた住民もいて、楽しかったよ」との前向きなコメントに胸熱です。

 自治会・町内会は、転居転出しない限りは何十年も、死ぬまで一生お付き合いです。地域によってはシャレにならない過大な負担と、少子高齢化で出口の見えない社会情勢の中、町内会長さんは自治体からの丸投げと住民の無関心に頭を抱える日々であります。
 とはいえ、そこはリアルワールドの強みです。自治会・町内会のメインプレイヤーの皆さんは、頭は固いがデマには強い。
 「雪かきの仕方が悪い」とかいう理由で近所のシニアが唐突にキレたりするのが町内会の風物詩ではありますが、大体話せば分かります。話さなくても現場を見れば、事情は大体お察しです。

 担い手の年齢層が高めなせいか、ネット情報をうのみにして、非現実的な改革をぶち上げるのはごくごく少数派のようです。
 とはいえ、これから一体どうしていけばいいんでしょうね。自治会・町内会。しくみ的にはとっくに詰んでいるのです。ここはひとつ大いに知恵を出し合って、なるべく早く次の手を打ちたいところですよね。
 ねえ、皆さん?

 町内会とPTAをともに無駄に張り切るわたしとしては、そんな自治会・町内会に比べると、インターネットでPTAを語る自称専門家の皆さんのnaiveさがつとに気になる今日この頃でございます。

PTAビギナーはネットデマに弱い

 年明けの、だいたい今ぐらいになると、次年度役員に内定しているPTAビギナーの皆さんがインターネットで「PTA」と検索かけて調べはじめたりするわけです。
 すると無慈悲なAIが「PTA 違法」「PTA 人権侵害」とか頼んでもいないのに関連ワードをぶら下げて、さらなる絞り込み検索沼へといざなうわけです。
 出るわ、出るわ、全国津々浦々のPTAのうんこぶりがこれでもかと数珠繋ぎで露呈されます。有無を言わさぬ役員決めや、やらない人はズルイの怨嗟渦巻くお当番、神秘に満ちた決算報告など、枚挙にいとまがありません。

 もともとPTAなんてやりたくてやってる人なんて、全PTA人口に占める割合の0.0000000000000001%にも満たないですよね。基本的にはほぼだれだって、しゃあなしの嫌々でやっているのがPTAです。なんでやんなきゃいけないの?てっいう謎慣習や意義の分からぬクソボラだらけに見えて当然。
 そこに来て、この検索で引っかかるPTA情報の惨憺たる有様を見て、もとよりはかないモチベーションが始まる前から燃え尽きます。
 自分は知ってしまったPTAの真実。あの頭痛薬の半分はやさしさでできているというのに、PTAの半分は冷たさでできている。しかも残りの半分は無駄に熱心。風はアゲインスト、住民票はここにあれども気分はすっかりアウェイです。

 この心境にとどめを刺すのがTwitterとインターネットメディアの存在。
 「PTAは違法だ」と熱心に批判しているアカウントが存在します。また、インターネットメディアを見れば、PTAで苦しんでいる人ばかりをことさらに大きく取り上げて「PTAに改革を!」とたきつけるジャーナリストが、ニュースと名の付くウェブサイトにエッセイを寄稿したりもしています。

見てもないのに『おまえのPTAは違法』と決めつける怪現象

 PTAなり保護者同士のお付き合いなり、それを通じてある人がとても嫌な思いをした。おそらくそれは事実でしょう。そのご自身の体験を一般化して、全国津々浦々のPTAのすべてが違法性をはらんでいると思いたいとか、、自分の推奨するやり方以外は認めないとか闘志を燃やしていることは、それこそ個人の自由です。

 ただし、ある人が見てもいない、いや、見に行こうともせず、詳しい話を聞こうともせず「違法だ」と言い切るのを見て、「そうなんだ!」とか目から鱗を落としている場合か。「PTAは訴えられたら負ける」とか脅されて、怖がる暇があるのだったらちょっとは調べてみたらいい。
 一体なんの権限で、この人は遠い他人や他団体を違法行為と確定するんだろ、とか、ちょっとは不思議に思ってください。プロ中のプロである裁判官の出した結論でさえ、一審、二審と覆ることがあるというのに。おまえは規制当局か。

 ちなみに、あの「PTAは違法だ!」を見るたびに、「極刑~!」を思い出すのはわたしだけでしょうか。

「PTAの被害者」をつくるのは誰なのか

 メディアの報道に関しては、報じる側の個人のうらみつらみをエッセイにしたためて、ニュースの体で発信する論じる手法の是非は論ずる必要があるかもしれません。ただし、そのジャーナリストを名乗る人が、例えばPTAならPTAで過去につらい思いをしたことが発信のモチベーションになることそのものを否定すべきではないと、わたし(前野)は考えます。

 ただ、わたしは自分自身も少しですけれど、直接のやりとりをしたことがあります。またインタビューを受けたという複数の人からお伺いした話もあります。
 ある人はおっしゃっていました。

「ジャーナリズムの名の下に、自分が語った体験談が、PTAのマイナス面だけ切り取られてニュースサイトに載ってしまった」と。PTAの功罪両方語った上で、それでもやっぱりPTAは大事だということを伝えたかった。だけど、あの記事では、その気持ちは「なかったこと」になっていた。

 PTAって、そんなにつらく苦しいことしかないの?
 いろんなまちの、いろんな人の、いろんな出会い。
 PTAがその一つになれたらいいね。そんな気持ちでやっている人は、ネットの記事を見る限り、いなかったことになっている。
 ネット情報を真に受けて、お手本通りにやらなきゃとぐいぐい進めた『PTA改革』が周囲に全然理解されずに、徒労感だけが残った。一時は導入されたけど、自分が卒業したとたんオセロのようにパタパタひっくり返された。
 全国に「PTAの被害者」みたいな人たちがいて、そうかと思えば、こっちには教祖みたいな100点満点のPTA改革成功者がいる。ではそれ以外は何なのか。みんなイジワルでわからんちんの「加害者」ですか。

 そうかもしれないし、そうじゃないかもしれない。
 って、村上春樹か。

煽情的なニュースで私たちが失ったもの

 どんなものにもプラス、マイナス、両面があります。PTAでも、それ以外でも。
 「読者の被害者感情に訴える方が、記事が売れる」と言い切ってはばからないメディアが、過去に何をしたのか、わたしたちはすでに知っています。

 マスメディアやインターネットに限らず、およそ情報というものに向き合うにあたり、受け取り手であるわたしたちの判断力は、常に、常に、試され続けています。

自分のリアルに全集中

 次期役員内定の、あるいはご検討中のPTAクラスタの皆様へ。
 わたしもそれなりの人生を歩んできましたし、アドラーでもないので、見ず知らずの皆々様に「PTAが楽しめるかどうかは、あなたの心の持ちよう次第だ」とか申し上げるつもりは毛頭ないです。
 理知的な話し合いだけで相互理解が得られるほど人類は甘くないです。ブチ切れなければ変われない現場もあれば、とっとと見捨てた方がいいコミュニティも少なからずあるでしょう。

 あなたが判断に迷うとき、支えになってくれるのはだれでしょう。
 とりあえず、ネットの向こうの自称専門家の方々のご助言は、あなた用にカスタマイズされたものではございません。リアルにはぐれた恨みつらみを仮想鍋で煮詰めた汁だけ飲んでも、走れる距離には限界がある。

 なんだかんだでリアルは強い。
 自治会・町内会のうざいシニアのたくましさには、見習うところが多々あります。現場に行く。自分の目で見る。手を動かしてやってみる。今まで誰かが何だかんだで守り続けたその場所にとりあえず立ってみる。

 立ったからといって、その時その場の最適解が見つかるかどうかは、まあ、わかんないんですけどね。
 ないよりあったほうがいい、だから続いている。その程度の「何か」は、もしかしたらあるかも。

王様の耳はロバの耳!と叫びたくなったら

 ここまで長文をお読みいただき、誠にありがとうございます。
 皆様に、最後に一つ。いや二つ、お伝えしたいことがございます。

 一つ目、トップ写真について。
 はい。お寿司です。弊社カメラマン撮影です。この文章をお読みいただいている方々は、きっと誰かのお世話をしながら生きておられることでしょう。家族、職場、自治会・町内会やPTA、ご趣味の団体その他、いろいろあると思います。その頑張りに心から感謝を込めて、弊社がお寿司、ご馳走します!写真だけだけど!

 二つ目。小見出しの件。ここからちょっと宣伝です。
 皆様がそれぞれのリアルで奮闘しておられたら、いろんな気持ちがわいてくることがきっとおありのことでしょう。
 そんなときは、チャットからご連絡くださいね。もしかしたら、何らかお役に立てるかもしれません。おしゃべりだけでも、きもちと頭が整理されて、また頑張れるようになるかもしれません。まずはお気軽にご連絡ください。

 それでは、お寿司めしあがれ~。はい、あーんして♪

この記事は、(株)きもちとしくみ主筆 前野芽理が書いています。 コラム、販促記事などの執筆のほか、司会業、セミナー支援も承ります。

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