通常級?支援級?検討するときに確認しておきたいこと

この記事は独白系ライター 松本怜が書いています。

朝晩の気温差も激しくなり、冬にさしかかりつつあると感じる今日この頃。

発達に凹凸がある子どもをもつ保護者の方は、本格的に子の就学先を考える時期にあるのではないかと思う。

もしくは、もう決定しているご家庭もあることだろう。

今回は、就学相談を通して、就学先を検討する際に確認しておいてもらいたいことを、松本の個人的な視点から紹介していこうと思う。

就学相談って?


就学相談(しゅうがくそうだん)とは、子供が小学校に入学する前に、なんらかの障害があったり、長期にわたり疾病等で入院経験があったり、また現に入院中でたとえば退院のめどがまだたっていないといったような悩みに答えるため、当該市町村の教育委員会が、相談に応じること。

多くの場合、通常の小学校に入学するか、あるいは特別支援学校に入学するかといった選択が関心の争点になることが多く、そういう場合には、知能検査・健康診断・集団行動観察という3つの検査を実施してみて、その結果を参考にしても就学先(普通の学級・特別支援学級・特別支援学校のうちどこがその児童に適しているかを相談するといった手順を踏むことが多い。

出典:Wikipedia


Wikipediaの説明を読んでもらうとわかるように、子どもの就学先に関して教育委員会と相談することができるのがこの制度だ。保護者が直接問い合わせて相談することもできるし、就学前検診で相談を受けるように進言される場合もある。障害児通所型施設(療育園)を利用している場合は、園を通して実施しているところもあるだろう。(筆者はこのルートだった)

上記の検査結果をもとに、教育委員会サイドでどこに就学するのが適当かを検討し、保護者には『判定』という形で伝えられるのがベターではないかと思う。そして、この判定を受けて、最終的な就学先を相談するわけだが、ここで確認しておいてほしい点がある。

学区の学校に支援級は設置されてる?

地域により、居住地のすべての小学校に支援級が設置されていない場合がある。

上記の画像をご覧いただきたいのだが、学区の学校に支援級が設置されていない場合には、学区外で自宅から一番距離が近い学校に入学することになる。運悪く、支援級の設置校が自宅から離れた場所にあるといった場合、公共交通機関を利用しての登校になることもあるので、ぜひ確認しておいてほしい。筆者の場合、学区内の小学校(徒歩5分)に支援級が設置されていないため、自宅から子どもの足で40分かかる学校への登校を余儀なくされている。また、当市では、毎日保護者が学校まで送迎をする必要があるのだが、これも地域差があるようだ。学校まで距離がある方は、車での送迎を検討しているご家庭もあるかもしれない。しかしながら、学校により車での送迎を一律で禁止しているところもあるので、こちらも要確認だ。

また、教育委員会のほうから「必ず送迎をお願いします」と言われた方もいるかもしれない。筆者が教育委員会に問い合せたところによると、当市では送迎に関して学校の裁量であるとの回答をいただいている。少なくとも当市では、市としての決まりではないようなので、不明な点があった場合は学校に問い合わせてみるといいかもしれない。

保護者の意向で転籍できる?

転籍とは、通常級から支援級・支援級から通常級など、在籍級を変更することを指す。筆者は就学相談で、「転籍したくなったらできますので」というような案内を受けたが、実はそう簡単な話ではないようだ

たとえば、1年生のあいだは支援級に在籍し、進級のタイミングで転籍したいとしよう。
当市の場合、事実上この転籍は不可能だ。
教育委員会からの回答によれば、転籍をするためにはまず一定期間(おおよそ一年)の全交流(一日のすべてを交流級で過ごすこと)が求められ、その様子を教育委員会の担当者が確認する。そして、教育委員会の内部で転籍が適当かが検討され、そこで転籍可能と認められれば、晴れて転籍ができるそうだ。

つまり、「転籍したい」→「いいよ」とはならず、いくつかのプロセスを経る必要があるのだ。

就学相談での就学先の決定においては、保護者の意向が尊重される場合が多いが、転籍に関しては教育委員会の検討結果が重要視されるということだろう。少なくとも当市では。
もし、「一年間だけ支援級で⋯」と検討している方は、転籍に必要な手順を担当者に確認しておくといいかもしれない。

また、学区外の学校を利用している場合には、転籍後の在籍校にも注意だ。

上記の画像にあるとおり、学区の学校に在籍している場合は、在籍級のみが変更になる。もちろん学校は現在通っているところのままだ。

しかし、学区外の場合には、通常級に転籍をすると『越境通学をする理由』がなくなってしまうため、学区の学校への転校を求められることもある(そのほかの事由に当てはまっている場合には転校は不要)。

転校を伴うとなると、環境の変化に敏感な子は少し心配事があるかもしれない。交流はあくまでも現在の在籍校で行われるため、転校先の学校でどうなるかは行ってみないとわからないだろう。
ただ、これも自治体により対応に差異が生じる可能性があるため、気になる方はお住まいの地域の教育委員会等に問い合わせてみてほしい。

通常級との交流はある?

交流の頻度は、学校(あるいは自治体)単位で異なっているようだ。
我が子の通う学校では、積極的に交流を行う方針のようで、給食や日々の授業、遠足等のイベントと、学校生活の多くが交流対象となっている。
しかしながら、他県に住む知人の子が通う学校では、交流は運動会や遠足のみだそう。給食はもちろん、普段の授業もすべて支援級で行うとのこと。学力や障害特性にも左右されるが、全員(15人)が同じ扱いだそうなので、学校の方針なのではないかと感じる。あくまで推測だが。

このように、交流に対する方針も一律ではないので、保護者の意向次第では前もって確認をしておいたほうがいいだろう。交流を多くしてほしいと望んでいたけど、入学してみたらほとんどできなかった⋯なんてことになるのは避けたいところだ。

通うのは”子ども”であるということ

ここまで、就学先を検討する上で気をつけてほしいことを紹介してきたが、何よりも一番大切なのは『子どもに合った学びの場を選択すること』だと筆者は思う。

「みんなと同じように通常級で学んでほしい」と思う方もいるだろう。

「支援級は学区外だから、近所のお友達と同じ学区内の学校に行かせたい」と感じる方もいるかもしれない。

それはそれでいいと思う。
その選択の正否を筆者が判断することはできないし、したくない。
通常級にしろ支援級にしろ、パラレルワールドに行くことができない以上、その選択が正解だったかどうかはある程度時が経たないとわからない。
というのが、就学相談を二度経験した筆者の結論だ。

判定結果を受けて、「本当に判定通りでいいのか⋯?」と悩んでいる人もいることだろう。
「何を悩む必要がある?判定通りにしないのか?」と心ない言葉を向けられた人もいるかもしれない。

大事な子どもの大事な進路なのだから、悩んで当たり前。

選択するのは親であるが、我々が子どもの代わりに学校に通ってやることはできない。
だからこそ、時間の許す限り悩んでいい。その悩んでいる時間は子どもの人生と向き合っている時間だ。

ちなみに筆者は、「2週間以内に」と言われたが最終期限が2ヶ月後と聞いて、2ヶ月みっちり悩みに悩んで判定結果とは違う就学先を選択した。
熱が出るのではないかと思うくらいには悩んだので、これが正解かはわからないが、我が子が毎日楽しそうに登校する姿を見て「これで良かった」と思えている。もちろん後悔はしていない。
昨年度末から、新型コロナウイルスの影響でいろいろな行事や日々の生活に制限がかかってしまっているが、すべての新入生たちが楽しい学校生活を送れるよう祈っている。

この記事は独白系ライター 松本怜が書いています。

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